水引の由来

 

飛鳥の時代から、日本人のこころをかたちにしてきました。

 

 ◆水引とは

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飛鳥時代、小野妹子が遣隋使として隋から持ち帰った献上品に紅白に染められた麻ひもが結ばれていたことから、日本でも贈答品に紅白の紐が、結ばれるようになり以来、宮中への献上品には、紅白の紐で結ばれるように なりました。現在の水引は、和紙の紙縒り(こより)に水糊を引いて固めて作ることから「水引」と呼ばれています。

 

◆水引の歴史

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人生の節目や季節の折々、冠婚葬祭などの改まったとき、私たち日本人は、贈答品に熨斗(のし)をつけて水引をかけます。今のように、水引が和紙から作られるようになったのは、室町時代で、庶民にも贈答の習慣が広まる江戸時代になると、水引の色も豊富になり、結び方も用途によって使い分けられるようになりました。

 

◆結びの持つ意味

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「結び」には、古来より人々の願いや思い、祈りが込められてきました。感謝の気持ちをかたちにした感謝結び、秘めた思いを伝える思い結び、仏前に備える祈りの結び、神前に奉納する願いの結びなど、結びはコミュニケーションの手段、手法として人々の生活の中で活かされ、時代の中で新しいかたちを生み出し、洗練された美しいかたちに高められてきました。

 

◆水引と色

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水引には、かたちだけでなく色にも意味がありました。白には神聖でけがれのないという意味があり、赤は魔除けの色です。お祝いごとには、”魔”が来ないにようにという願いを込めて白と組み合わせて使います。弔事では、黒と白を組み合わせますが、黒は黄泉の国の色、白は死者の魂を表しています。これらの色の意味は、古代中国の陰陽五行を象徴したものですが最近では水引に使われる色は数百種類もあり、好みでいろいろ楽しめるようにになりました。